先輩インタビュー
気相用水素センサを、
会社で一番の製品に育て上げたい。
研究開発/機能材料研究所I.T
工学部機械知能システム工学科卒 2016年度入社
大学での研究テーマは「壁面噴き出しによる圧縮性境界層の壁面摩擦抵抗低減」。現在の仕事は、工業用の水素センサ(水素ガス濃度分析計)を開発・製造。機能材料研究所で特殊なセラミックスを自作して組み立てたり、部下が作ったものを管理・評価する。また、自ら丹精こめて開発・製造したセンサを新規の顧客に売り込むためのPR活動も担当している。
自動車部品や産業機械部品の製造工程で使われるセンサ
開発・製造を担当している工業用の水素センサ(水素ガス濃度分析計)は、特殊なセラミックスを用いたセンサで、気相(ガス)中、雰囲気中の水素の分圧(濃度)を測るものです。鉄や鋼で作る自動車部品や産業機械部品などの表面を硬化させる、表面処理炉と呼ばれる設備で使われています。
この表面処理は、NH₃(アンモニア)やC₂H₂(アセチレン)といったH元素を含むガスを流して分解させて取り込ませることで表面を硬くしています。あふれたH₂(水素)をこのセンサで測定することで、ガス量を管理したり処理具合を管理したりすることができます。
すごく狭い分野ではありますが、着実に認知され始めている実感はあります。
手探りから始まり、磨き上げへ
センサの母体となる特殊なセラミックスの仕様を決め、製造からセンサ自身の製作・評価(検査)、出荷、立会納品まで一連の工程・仕事を行っています。
本格的に開発が始まって5年程経ちましたが、これまでは試験をするにも手探りの状態で、それでも試験と評価を繰り返しながら測定精度を上げてきました。
このセラミックスは造り込みが非常に難しく、またセンサとしての形にする造り込みも難しいので、うまく測定出来なかったりすることもあります。しかし、連続的に即座に水素濃度測定するセンサは世の中にTYK製しかなく、必要性が高いです。その中で安定した測定が出来るようにして欲しいという要望はかなり有り、それに対してうまく測れない原因を追及し、うまく測れるように一つひとつ着実に造り込んで磨き上げていこうと考えています。
難しいからこそ、やりがいがある。そして、他社にできない領域へ
このセンサは製造工程が非常に多く、また一つひとつが細かいため覚えることが多く、習得するまでに時間がかかるのを克服するのには苦労しました。
また、工程が多いため、不具合が起きた時の原因を探るのが非常に難しいこと、その都度未知だった機械的・電気的な知識が必要となり、頭の中で整理するのが大変です。
こうした試行錯誤を繰り返すうちに、分からなかったことが分かるようになったこと、原因解明に取り組み謎が解けたこと、製品をお客様にご好評いただけたことはうれしい経験です。とても奥が深く、やりがいは大きいです。
また、自分自身の知識が増え、セラミックスを作り込む技術・能力が向上して周囲の人に褒められたことや、その知識や技術やスキルが社内で広まっていくことに喜びを感じます。中でも、直径10ミリくらいのセラミックスのパイプを600ミリの長さで作るというのは他社にはなかなかできない技術で、私の自慢のポイントと言えます。
会社で売上一番の製品に育て、誰からも頼られるスーパーマンに
就職にあたっては、地元で自宅通勤ができる会社先という前提で調べ始めたのですが、TYKの耐火物を造っているという部分に興味を持ちました。地元の中でも大きい企業であり、働いている方が多いという部分にも惹かれて選びました。実際に入社して仕事をしてみて、同年代は親しみやすく、中年代の方は活気があってとても働きやすい環境だと思います。そして、やりがいも感じられる会社です。他社ではできない分野にチャレンジできるところが最大の強みだと実感しています。他チームの業務・製品も面白いので興味はあるし、やってみたいとは思いますが、今の自分の仕事が一番!水素センサの売り上げを研究所一、会社一にしたいです。そして、誰からも頼られる仕事の完璧に出来るスーパーマンになりたいです。